社会福祉法人木犀会は茨城県内の高齢福祉施設、障がい福祉施設の運営を行っています。
社会福祉法人木犀会「茨城県 福祉」

「茨城県 福祉 木犀会」花と果実

<<前のページ    

「当たり前の日常から、かけがえのない日常へ」グループホーム花水木

2015.06.28

昨年の秋に「紀寿」を迎えられた、花水木の長老ともいえるG様。


新聞を見て、世の中を知ろうとする真剣な眼差しは、尊敬にあたいする素晴らしい日常だと思います。中には、「見ているだけでは?」と思われる方もいるかもしれません。ですが、気になった記事を指差して、「これ!これ!」と職員にも見るように勧められる姿を見ると、“見ているだけ”とは思えないのです。昨年の冬から、新聞やテレビも興味をなくされ、ぼんやりと過ごされていた時期がありました。その後、食事も摂れなくなり、酸素マスクを必要とされていたG様。G様に最良の日々を送っていただきたい。その為には何をするべきか」そこで、ご家族様との話し合いを行い、何度も自ら外してしまう酸素マスクをG様が一番苦痛と感じていたと想い、外すことにしたのです。その後も可能な限り離床していただき、食事やお茶の時間を、皆さんと同じ場所で過ごす支援を試みました。孤独にしない環境が刺激になり、G様は100歳の頑張りを見せて下さりました。好きな物を食べたいという気持ちを尊重し、好物のどら焼きや饅頭を召し上がっていただいたり、毎日の清潔保持の実施など、“ターミナルケア”を“かけがえのない日常”と捉え支援したところ、離床している時間が長くなり、食欲も出始め、毎日満面の笑みを見せて下さるようになりました。面会時に親子で笑い合いながら話をしている姿(家族団らんの時間)を見ると、親子の絆がよりいっそう深くなったように感じられます。G様の年齢に負けない姿は、もう一枚葉を出し、三つ葉から成長する“幸せの四つ葉のクローバー”のようです。

これからも、利用者様ひとりひとりに寄り添った、家庭的で温かい支援を行なっていきたいと思います。

千の杜〜6月

2015.06.25

私たち「千の杜」のモットーは「ひとりひとりを大切に」です。つまり、それぞれの入居者の皆様がそれぞれに持っているこうしたいという気持ちを大切にしています。


入居者K様は、「千の杜」の開所にあわせて入所され、すでに3年目になります。


現役時代は、自分のお店を切り盛りされ、仕事一筋の毎日を送られていたそうです。K様は「千の杜での生活は、忙しくて思う存分できなかった趣味の数々を一つでも多く形にしたい。」と考えておられました。当初より民謡など自分の好きな歌を歌うこと、絵を描くこと、工作などの活動を生活の中に取り入れ毎日を生き生き過ごすことを大きな願いとしておられました。


例、絵を描くということでは・・・


描き上げた絵は、色彩感覚が抜群で気持ちが豊かになる絵に仕上がっています。玄関やデイサービスなど様々な所に絵を飾り来館される方の目を和ませています。また、この絵は、ボランティアの方が来た時のお礼のプレゼントとしても役に立っており、毎回、お礼の言葉を述べて、ボランティアの皆さんに直接手渡していただいています。


また、民謡などの歌う場を提供するということでは・・・


ご自分のお部屋には、カラオケマイクやレコードプレイヤーがあり、民謡などの音楽を流してはお部屋での練習を良くしています。声の響くロビーに出ては、民謡の発声練習に励まれる姿もあります。そして、リズムを取るための小さな太鼓を持って、よく太鼓をたたく練習もしていらっしゃいます。千の杜に歌や踊りのボランティアの方がいらっしゃった時には、太鼓のリズムを音楽にあわせて敲いて一体感を経験していただいています。


もともとの病気があり、時々一人で歩くのがつらいほどの体調不良に襲われることもあり、健康に対する自信を失くされる時があります。そんな時でも、スタッフ一同で趣味の数々を継続できるように支援することで、自分の健康に対して自信を回復し、素敵な笑顔がいつまでも見られますようにと願っています。

ゆりのき

2015.06.23

「自宅で最期まで生活を送る」そして「誰にも迷惑をかけずに・・」誰もが希望する生き方、逝き方ではないでしょうか?でも本当にそれだけが一番の幸せなのでしょうか?

「Mさん、85歳、自宅で一人、自由気ままに暮らしてました」と書くと、優雅?な話ですが、実際は栄養失調、自宅の中は物が捨てられず溢れ、猜疑心が強く、時々来る家族が注意すると大声で怒鳴り喧嘩の繰り返しでした。
そんな生活で体調崩し、入院。病院でも当然、物を盗られたと騒ぎ、院内の物を勝手に持ってきてしまい、説明しても納得せず、怒ってしまうのです。
治療が終わり退院となった時も、一人暮らしの自宅には帰れず、ゆりのきにそのまま来ていただくこととなりました。
はじめは帰宅願望強く、勝手に出ていこうとしたり、面会にきた家族と大喧嘩をしていることもありました。認知症状だけではないような様子でした。
初めはMさんの気持ちに寄り添えず、空回りばかりでした。
ある日面会に来た姉妹に相談すると「あのね・・病院からそのままここに来たでしょ。だから「連れてこられた」「騙された」って思ってしまったみたいだよ」と教えてくれました。
それから毎日時間を作ってMさんと話をしました。
「不満は?」「不安は?」「やりたい事は??」
「家に帰りたい」「家族に捨てられたの?」「何もしたくない」を繰り返すばかりでしたが、少しずつ昔やっていた農業の話、家族の話などしてくれるようになり、冗談で職員と大笑いするようになり「家に忍び込む事はできないからね〜せめて墓参りにいきたいもんだ」と話してくれました。
数日後、家族の了解をいただき、Mさんと一緒にお墓参りに行きました。
Mさんと私達の間の垣根を一つ超える事が出来ました。
それからも少しずつ時間をかけ、一緒に泣いたり、笑ったり、怒ったり、日々の中でMさんの為に一番良いであろう事を、職員が一生懸命探し、支援しました。

約半年が経過した今・・・Mさんは笑顔でゆりのきで過ごしています。「絶対に家には帰さない!」と言っていた家族と一緒に時々家に帰れるようになりました。
「下手だけど庭に花とか植えるのが好きだった」と昔、楽しんだガーデニングをゆりのきでまた始め、時々は自分から外に出て草取りもしてくれるようになりました。
自宅ではずっと暮らせないけど、今のMさんは独居の頃よりも血色よく、表情も明るく、何よりも大事な家族と笑顔で過ごす事が出来るようになりました。
「そりゃあ、家が一番だけどここに居ると心配は無いよ。淋しくないから」とMさんが他の利用者さんと話をしているのを聞き、小さな達成感を感じました。

どこに居てもその人らしく、過ごせるように・・・頑張って支援させていただきます。

昼食の時間が楽しみになりました! スペース・ドリーム

2015.06.22

昼食は楽しみなのに偏ったものしか食べれなかった利用者さまです。
本当は、食べたい物なのに何かが違うと昼食を眺めているだけの日が続き、支援員からの声掛けがあっても今日も眺めているだけでした。私たちは、少しでも食べていただきたいという思いで厨房さんと話し合い様々な工夫をしてみました。結果、お醤油や、ソース味などをシンプルに変えてみたり、焼くだけ、煮るだけにしてみたところ少しずづ興味を持って慎重に食べ始めました。焼いたお肉を一口、お魚を一口、少しずつ食べられるものが増えて、時には完食も見られるようになりました。これまで、長い時間がかかりましたが、利用者さまが落ち着いて口に運んでいる姿は本当に嬉しく思います。これからも、気持ちに寄り添い一緒に食の時間が楽しめれるよう継続していきたいと思います。

「詩吟の花」 ・・・花水木 岩瀬館より・・・

2015.05.27

 趣味を持ち続けることは、人生に彩りを添え、生きることをより豊かにする、と言われます。今年88歳になられるE様は、若い頃から「詩吟」を嗜まれ、ご高齢になられてからも、社会福祉協議会の趣味講座「詩吟教室」に参加され、「腕」ならぬ「のど」を磨いてこられました。
 3年前に岩瀬館に入所された後も、2週間に1回「詩吟教室」に通われ、年に数回は舞台に立つこともあります。壇上に上がるのさえひと苦労のE様が、ひとたび吟じ始めると、周りの方々はその「のど」に大変驚かれ、「元気をもらいました」「感動しました」などお褒めの言葉を頂くこともあります。
 E様を教室や会場にお連れする支援の中で、E様にとっての「詩吟」は、まさしく『人生に彩りを添える花』なのだ、と実感すると同時に、壇上のその姿は、私たちスタッフにとっても『かけがえのない一つの花』なのだ、と感じることがあります。
 どんな『花』も、ひとりでは咲きません。土や光や水があってこそ、美しい花を咲かせます。岩瀬館のかけがえのないこの『花』が、いつまでも咲き続けられるよう、地域の皆様と共に私たちも微力ながら支援を続けていきたいと思います。
 Forever ! Flower of  Shigin !

<<前のページ    
このページのトップへ
Copyright(C)2010 Mokuseikai Social Welfare Corporation All Rights Reserved.