社会福祉法人木犀会は茨城県内の高齢福祉施設、障がい福祉施設の運営を行っています。
社会福祉法人木犀会「茨城県 福祉」

「茨城県 福祉 木犀会」花と果実

ひまわり館〜心あたたまるエピソード3〜

2015.08.22

高次脳機能障害、30代男性の利用者様。ひまわり館に通所して約2年になります。高次脳機能障害とは脳の損傷から新しい事が覚えにくい、感情の抑制が難しくなるなど様々な障害があるのが特徴です。
 この方は、ご自身の意見は素直に伝えることが出来ても、相手が投げかけた言葉に対し、つい否定的な言葉や態度が出てしまい、相手に不快な思いをさせてしまう事もあり、支援上で細かい配慮が必要な場合もありました。
『相手の話を受け入れ、思いやる表現が出来る』ことを支援目標とし、ご本人様が支援員と共に振り返る時間を持ち、『相手の気持ち』『自分の気持ち』を思い返す事が出来るように継続的に支援してきました。そうする事で、脳の刺激となり比較的新しい記憶や感情を思い返す事にもなります。職員も伝え方や座席の場所など環境設定しながら支援を行い、どのタイミングでどんな伝え方をすれば良いのか?その為に必要な環境や雰囲気は?など、日々の中で何度も検討し、繰り返し支援した結果、笑顔で「お疲れ様でした」と気持ちのこもった言葉が出て、手を振り見送る事が出来る様になりました。感情のバランスがとれ表情はとても良く穏やかで、また一つご本人様の『果実』が実りました。

コナンキッズ :一人でマウスを使ってyoutubeを見ることができるようになったB君

2015.08.04

B君は特別支援学校に通う男の子です。
コナンには小学生一年生から通っていただいています。

B君のお気に入りの余暇活動はyoutubeで「アンパンマン」と「NHKの英語の番組」を見ることです。おうちでもスマートホンやタブレットを使って動画を見て余暇を過ごすことが多かったようです。

初めのうちはマウスが使えず、タブレットのようにパソコンの画面を押したりしていましたが、画面を押しても動かないことがわかると職員に助けを求めてきていました。

しかし、見たい場面が2秒で終わってしまうので、繰り返しそこだけを見たいB君はその度に職員に呼びに来ていました。スタッフはB君の見たい場面まで動画を戻すことを支援中に繰り返していました。その数はなんと15分間に100回以上です。

そこで、担当スタッフはB君がマウスを使って一人で動画が見られるようになることを支援目標にすることにしました。

マウスのどこを押したらクリックになるのかをB君に判り易くするためにシールを貼り、初めのうちは一緒にマウスの上から手を重ねて練習をしていきました。

その結果、今ではマウスを使いこなし、自分の好きな番組の好きな場面を自分の納得のいくように見ています。 

問題行動を起こさずに自由時間有意義に過ごすための余暇スキルは、身辺自立、運動、作業スキルなどと同様に子供たちの将来にとってとても重要なスキルです。


今後も、お子様の将来のための支援を計画・実行していければと思います。

ケアホームかすみ  サテライトに移ってスタートラインに立てました!

2015.07.30

昨年の9月にケアホームかすみに入所された男性で「自立した生活がしたい」と強く希望されている方について書かせて頂きます。
入所した頃は、支援があれば掃除や洗濯も何とか自力で行える程度で、何事にも自信がなくいつも下を向いている状態でした。
他利用者と話すのも苦手な様子で、自分から話しかける事はほとんどなく、世話人や支援員が間に入ると会話の輪に入る事が出来ました。

ある日、ゆっくり話す事があり、悩みを聞いてみると「自分は、もっとのびのびと生活がしたい。お風呂も順番を気にしないでゆっくり入りたい」等とケアホームでの生活で窮屈と感じている事を話してくれました。
そこで、サテライトの内容を説明し気持ちを聞いてみると「是非、行かせて下さい」と今まで見たことないくらい凜とした目で訴えて来ました。

そこで、すぐに担当者会議を開き、相談支援員、サービス管理責任者、本人、世話人と話し合いをし、サテライトでの生活をスタートする事になりました。
サテライトが決まると、自信が出たのか表情も明るくなり、積極的に準備を始めました。

サテライトに移る前の計画は「生活リズムを整え、自力で行える事を増やしましょう」でしたが、サテライトに移るにあたり、「自立した生活に向け」という文を加えました。

今年の初めから、サテライトの生活が始まり、最初はいろいろと質問攻めでしたが、1つずつ自力で出来る事が増え、徐々に質問が減り少しずつ自慢話が聞けるようになりました。

ケアホームの利用者との関係も良好になり、今では話の中心に彼がいる事も少なくありません。
今後も、自力で出来る事が少しでも増えるよう支援していきたいと思います。

もちの木作業所 ☆One Story☆

2015.07.28

今回は、知的に障害のある男性利用者様が、自分の体験や経験をもとに、支援スタッフまたは他の利用者様からの尊敬と信頼を受け、ご本人様が自信と生きがいを見出した支援プログラムをご紹介します。

 平成26年6月6日。某施設機関を経て、もちの木作業所の利用を始めました。彼は、社会生活経験も十分にあり支援区分的にも軽い障害でした。ただし、年齢がご高齢なことや身体的機能の低下がみられ、当初私たちスタッフは、他の利用者様とスムーズな関係を築き、生きがいを持って仕事に取り組んでいけるかどうか、多少の心配がありました。
 個別支援計画においても、本人の得意なことを活かし、できる仕事に取り組んでいけるよう支援の目標を定めました。

 私たち支援スタッフは、本人様とのコミュニケーションを図るにつれ以前就労していた職業を知り得ました。様々な職種を転々としていたようですが、大工の仕事には自信があったようです。
 そこで私たち支援スタッフは、長靴置き場の下駄箱を作成して頂くことにしました。それは、支援の目標に対して、本人がどこまで取り組むことができるか、また、得意なことに対してどれほどのスキルを持っているかを図るためでもありました。
 彼は、自ら図面を描き設計図を作成しました。そして、支援スタッフと共に必要な木材と器材・工具を購入し作成に取り掛かりました。材木の切断の際には電動のこぎりを使い正確に切断し、組み立ての際には電動ドリルを使用し丁寧に強度を考えるなど、まさに「職人」のようでした。
 そして、この作業中に彼は、とても生き生きとした姿でした。周囲の利用者様からの熱い視線と励ましの言葉、支援スタッフからは尊敬の声と驚き。彼は、毎日通所するのが楽しみのようで、自信に溢れていました。

 その後、彼は約半月をかけ見事に下駄箱を完成させることができました。彼は、久しく関わることのなかった大工仕事ができた喜びと周囲からの尊敬を得ることができました。そして、このプランをきっかけに得意なことに再度自信を持ち、自身ができる仕事を見つけることができました。それからというもの、事業所のフェンスに材木を使った目隠しを作製してくださったりと、自主性や積極性も見られるようになりました。

ひまわり館〜心あたたまるエピソード2〜

2015.07.16

『私たちは人々を真に愛し、ハピネスに繋がる喜びと感動の為に、最善を尽くします。』
これは、私たちひまわり館の運営理念です。本日は、まさにこの言葉にふさわしいエピソードをお送り致します。
 年齢76歳になる、H様。ひまわり館に通い始めて1年半になります。在宅での期間が長く社会と関わる機会が少なかった方です。通所開始当時より、ご本人様には『夢』がありました。『海が見たい、水族館に行きたい』という『夢』です。今まで76年間、実際にご自分の目で海を見たり、水族館に行った事が無かったのです。その『夢』を叶えようと、私たちは個別計画に『様々な活動や経験をする』という内容を盛り込み、その為にはどうすればいいのか・・・と話し合いを持ち、実行に移しました。歩行訓練、排泄訓練、食事の工夫や補助の方法、日々の励ましの声掛けなど細かい支援を行い『夢』の実現に向けて進んで行きました。1年半1度も休まず通所して頂いていましたが、急遽、体調不良により1か月の入院。ADLの低下が心配されました。ご本人は入院中も、『海が見たい、水族館に行きたい』と何度も話をされていたそうです。私たちも決して諦めることなく、実現するための方法を考えました。平成27年7月11日(土)快晴の空の下、『夢』が叶ったのです!皆様と一緒にアクアワールド大洗に行きました。ご本人様の活き活きした表情、前向きな行動、全てにおいて『喜びと感動』を感じる事が出来ました。積み重ねてきた支援と諦めなかった心が実を結びました。支える援助、同時に私たちも利用者様から支えて頂いています。そして、ご本人様よりこんな言葉がありました。『ひまわり館は俺の家族みたいなもんだよ・・・。』  H様の素晴らしい果実が、ひとつ見事に実りました。  私たちは本当に幸せのもです。

出来るようになったこと(ケアホームたじま)

2015.07.03

ホームに入居したK君の姿。
 入居当時は気を引きたくて、であろうイタズラ(他の利用者様の居室に入り込んだり、廊下の電気をつけたり消したり、ティッシュを大量に取ってしまう等・・・)が多くありました。また、髭を剃ろうとすると逃げ回り剃れる状態ではありませんでした。
 そこで、居室に朝と夕の日課表を壁に貼り、一つ一つ支援員や世話人さんと繰り返し支援を行ってきました。見通しが立つことにより髭も剃らせてくれるようになり、洗濯の干し方も毎日の積み重ねで出来るようになりました。ホームでの生活も安定し食事の充実、職員との信頼関係の構築の中で次第にイタズラも減り、お喋りが多く感情表現も豊かに、顔の表情も明るくなりました。今では、テーブルを拭き、食器運びなどの手伝いも率先して行い、育てている野菜の水かけ等のお手伝いをしてくれたら「ありがとう」の言葉を重ねる事でイタズラも減って来ています。職員が髭を剃り忘れていると「髭剃ってないよ」とK君から教えてくれるようになりました。「忘れないでよく言えたね!」と、褒めることで自信もついてきたようです。時々、気に入らなくて口が尖ることもありますがこれも感情表現が豊かになったしるしです。これからどんどん成長していくK君の今後が楽しみです。

夢への第1歩! (ケアホームかすみ)

2015.07.03

 小児脳性麻痺による肢体不自由がある21歳の女性で、年金が貰えるようになったらグループホームに入りたい。との希望を持っていた方で、昨年ケアホームかすみに入所された方についてお話させて頂きます。
 念願だったケアホームかすみへの入所となり「調理がしたい」「資格を取りたい」「東京タワーを階段で上りたい」等、様々な夢や希望がありました。
 個別支援計画では「調理がしたい」点に着目し、目標も食材を切る事からはじめ、最終的には料理の行程をほぼ1人で行えるようになりたい。と、ご本人と相談して決めました。
1回目の調理実習では、野菜(キュウリ)のカットに挑戦しましたが、思うように切る事が出来ず悔しがっていました。2回目には、包丁のサイズを小さくしたり、切る時の姿勢を工夫する事で、前回よりは目標に近い大きさにカット出来るようになりました。しかし、試食してみると「これじゃ、食べにくい」と少しがっかりしていましたが、目標に向けて頑張る意欲も見せてくれました。
 ケアホームに入り、夜の時間の過ごし方が分からない。との相談がありましたが、調理を始めてからは、野菜のカットのイメージトレーニングをしたり、メニューを考えたりで、夜が楽しくなった。との言葉も聞かれるようになりました。
 1つの目標は小さい物ですが、1つずつクリアーして行く事を繰り返しながら、最終的には大きな目標である「調理がしたい」に繋げられれば良いと思います。

コナンキッズ:お水を飲めるようになったA君

2015.07.02

コナンキッズには偏食を理由に尋ねてこられる方もたくさんいらっしゃいます。


A君は3歳の時に自閉症スペクトラム(当時は広範性発達障害)と診断されました。
小さいころから偏食がひどく、自分の食べられるもの以外を食べさせようとすると
泣き叫んで食べることを拒否したり、吐き出したりしてしまっていたようです。
保護者様が一番困っていたのは水やお茶を飲めないことでした。
水を飲ませようとしても吐き出してしまうのですべてジュースなどの清涼飲料水で水分を補給してきました。
無理やり飲ませようとすると本当に嘔吐をしてしまうこともあったようです。

A君と保護者様は小学校に進学する時になってジュースの持ち込みができないということを告げられ夏の脱水症の心配をされてコナンキッズを尋ねて来られました。

アセスメントをしていく中で
水で歯磨きをしている。
プールやお風呂は大好きである。
ガラガラうがいができるということがわかりました。
これらのことからきっと水が飲めるようになるだろうと予測が立ったため
水を飲む練習をお母様と一緒にやっていくことになりました。

はじめに、一滴の水を口に入れ、飲み込む練習から
時間をかけて少しずつ口に含み飲み込む水の量を多くしていきました。

おうちでも毎日練習をしてもらい
3ヵ月後には見事コップ一杯のお水を飲めるようになりました。
その後のお話では小学校では蛇口から直接水を飲むこともできたと
保護者様からご報告を受けました。

子育てや療育はスタッフとご家族が一緒になってやっていくものだと考えます。
ご家族だけでもスタッフだけでも難しいものだと思います。
今後もご家族と協力しながら
子供たちの未来に向けた支援に取り組んでいければと思います。

プライバシー保護のために事例の本質を損なわない程度の改変を行い
同じような問題を抱えたお子様の事例を複数混ぜて掲載しております。

(今回の事例は専門的なアセスメント・方法に基づいて行っております。安易に真似をされますと逆に偏食を強めてしまう結果になることがあります。ご理解ください。)

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