社会福祉法人木犀会は茨城県内の高齢福祉施設、障がい福祉施設の運営を行っています。
社会福祉法人木犀会「茨城県 福祉」

「茨城県 福祉 木犀会」花と果実

憎まれ口もその人らしさ… [はぎの郷]

2015.06.30

 肺炎から病院へ入院し、その後に自宅での生活が難しくはぎの郷へ入居されたNさん。病院では治療ということもあって胃ろう(胃へ直接に栄養を提供する方法)と経口の併用で食事を摂られていましたが、はぎの郷での暮らしが始まって間もないある日のこと・・・ 


ほかの方の食事を見て、「私に唐揚げは無いの?」と話されました。もちろん胃ろう+ペースト食の方にから揚げを出すことはできません。でも、食べたいという強い想いがあるなら、何か出来るのではないか・・・。


 この言葉が取り組みのはじまりになりました。 


当然、ご家族も口から食べられることで、以前のNさんに少しでも戻れるのではないかとの強い想いもあり、訪問歯科医の「ゆっくりよく噛んで食べること。おしゃべりもリハビリのうち。」とお墨付きをいただけたことが励みになり、ご家族も食事の時間に合わせ訪れ、日々の状態を管理栄養士・ユニット職員と話し合いながら少しずつご本人の想いに近づけることができました。時々は普通食も召し上がれるようになり、自宅へ外泊されるようにまでなりました。 


 何より、住み慣れた自宅での生活は、病状や必要なケアの状態から難しいこともあり、はぎの郷での生活(=ご本人にとって家で暮らすことと同じように感じられる)の充実を、スタッフはもとより、ご家族と協力して進めています。 


 心豊かな生活を送っているNさん。お手製のおやつを持参し、面会に来たご家族に「今日はこれだけしか持ってきてないの?」などとおっしゃるようになり、ご家族と職員とで、「少し前までは食べられなかったのにね」と笑いながら冗談を言い合える程ご家族の気持ちにも余裕が生まれ、今では月に一度ご家族水入らずで、お嬢さんお手製の食事を楽しまれています。 


 これからも、より一層Nさんの笑顔に寄り添ったケアを進めていきたいと思います。

元気になられて (指定訪問介護事業所 ゆう)

2015.06.30

 訪問介護事業所 ゆうに2年前より支援をさせていただいております、B様は支援を開始した当初は医療(病院)への依存度がとても高く、少し気持ちに不安があったり、からだのどこかが少し痛いとすぐに「病院、医院に連れて行って欲しい」と訴えがあり、何か所の病院より、飲みきれない程の薬を処方されてきました。


いろいろな薬を飲んでいたため、体調もすぐれず部屋にこもる日が続いておりました。


 職員同士で話し合いをし、ご家族にも同意を得て、ご本人が「病院に連れて行ってくれ」と訴えがあっても、すぐに病院にはお連れせず、ご本人とよく話しをし、どこが痛いのか、また、悩みや不安等、時間をかけてゆっくりきいてあげました。


 辛抱強く、話をきき続けた結果、一年を過ぎた頃には、週5回程かかっていた病院も、週2回、週1回と減ってきて、病院に行かないので、薬の量も減少し、顔色もよくなり、体調も回復されてきました。


 現在では大好きなカラオケやリハビリ体操を行い、穏やかな生活を送られております。職員の根気強い、時間をかけた支援によりご本人に気持ちが伝わり、それによりご本人が職員に応えてくれ、医療への依存が解消されたとおもいます。今後も粘り強く支援にあたり、困っている方に少しでもお役に立てればと思っております。


 

「当たり前の日常から、かけがえのない日常へ」グループホーム花水木

2015.06.28

昨年の秋に「紀寿」を迎えられた、花水木の長老ともいえるG様。


新聞を見て、世の中を知ろうとする真剣な眼差しは、尊敬にあたいする素晴らしい日常だと思います。中には、「見ているだけでは?」と思われる方もいるかもしれません。ですが、気になった記事を指差して、「これ!これ!」と職員にも見るように勧められる姿を見ると、“見ているだけ”とは思えないのです。昨年の冬から、新聞やテレビも興味をなくされ、ぼんやりと過ごされていた時期がありました。その後、食事も摂れなくなり、酸素マスクを必要とされていたG様。G様に最良の日々を送っていただきたい。その為には何をするべきか」そこで、ご家族様との話し合いを行い、何度も自ら外してしまう酸素マスクをG様が一番苦痛と感じていたと想い、外すことにしたのです。その後も可能な限り離床していただき、食事やお茶の時間を、皆さんと同じ場所で過ごす支援を試みました。孤独にしない環境が刺激になり、G様は100歳の頑張りを見せて下さりました。好きな物を食べたいという気持ちを尊重し、好物のどら焼きや饅頭を召し上がっていただいたり、毎日の清潔保持の実施など、“ターミナルケア”を“かけがえのない日常”と捉え支援したところ、離床している時間が長くなり、食欲も出始め、毎日満面の笑みを見せて下さるようになりました。面会時に親子で笑い合いながら話をしている姿(家族団らんの時間)を見ると、親子の絆がよりいっそう深くなったように感じられます。G様の年齢に負けない姿は、もう一枚葉を出し、三つ葉から成長する“幸せの四つ葉のクローバー”のようです。

これからも、利用者様ひとりひとりに寄り添った、家庭的で温かい支援を行なっていきたいと思います。

「一人生活に挑戦しました」 ケアホームスマイル・ケアホームクローバー

2015.06.25

新制度にあたりサテライト型住居(一人暮らし)を始めた方々です。
ホームの一員として支援を受けながら近くのアパート住まいです。これまでは、食事も掃除も全部そばにいてやってくれる人がいましたが、生活していくうえで課題はたくさんありました。どこまでの支援があれば自分で生活できるのか、支援員と何度も話し合いを重ねました。アパートに引っ越ししてみて初めて気付く課題もあり様々な壁にぶつかりました。その都度、みんなで話し合い練習を重ね、一緒に最善の方法は何かを考えました。
それから約半年がたった今、それぞれの生活スタイルができてきました。共同生活している時には、掃除などほとんどしなかった方がきれいな部屋を保っています。お風呂が好きではなかった方が、毎日自分からお湯をくんで入浴するようになりました。電化製品の取り扱いも戸惑いましたが今は、簡単な食事つくりに挑戦しています。
一人で暮らす生活は課題にぶつかりながら悩みますが、自分でできることが増えて自信が持てたことは大きな喜びです。
それぞれに課題は違いますが、一歩一歩自立されるようサポートしていきたいと思います。

さくらイザップ?!〜さくら,ケアホームかさま〜

2015.06.25

さくらの日中活動では、4月から体力作りと健康増進のプログラムとしてマシーンなどを導入し実施しています。種類は、「平行棒・ボート漕ぎ・自転車漕ぎ・ローラー・サンドバック・ミット・パンチングボール」などなど。専門技術指導まではいかないにせよ、職員(トレーナー?!)が熱血コーチングに取り組んでいます。この活動に参加するようになった利用者のAさんは、今まで周囲と一緒に活動参加する事が苦手で、体を動かすこともほとんどありませんでした。う〜ん、このままでは生活の張りは愚か、運動不足で健康にも良くないし…と、スタッフ,Aさんとで何に興味があるのか?どんな活動がしてみたいか?などなどいろいろと検討してきましがなかなか見つからず…。そんなとある日、「サンドバックを叩いてみます?」と声を掛けると、バンバンッ!「コロコロしてみます?」と声を掛けると、コロコロッ!黙々と集中し取り組み始めました!Aさん、動きたくなかったのではなく、体を動かす機会がなかっただけだったのです。それからというもの、コロコロローラーが日々の日課となり自発的に毎日取り組むようになりました。気のせいか、体が引き締まってきたような、ないような・・・すぐには、成果は見えないですよね・・・!『継続は力なり』ですね!またBさんは、サンドバックに打ち込む拳に魂が入り、プロボクサーさながらの連打,連打でストレス発散!いい汗をかいています。このように、利用者,職員一緒に楽しみながら、エクササイズ!シェイプアップ!ストレス発散!コミュニケーション!それから、健康という果実をたわわに実らせ筋力,体力増進!そんなことを目標に、これからも「さくらイザップ!」に取り組んでいきたいと思います。…気になる成果は、近日公開!?

もちの木作業所 ☆One Story☆

2015.06.25

今回は、就労継続支援を利用する男性(32歳)利用者様が仕事(就労)の尊さに気づき、それを気づくきっかけとなった支援プランと彼の感謝の気持ちを伝えたストーリーです。
 普段の彼は、仕事中でも楽しくなり過ぎて、集中した作業が出来なくなってしまう傾向があります。その一方で、人前で自分の考えを上手に伝えるのが苦手で遠慮がちな面もあります。
 そんな彼が、余暇活動のグループ旅行で、栃木県にある日産自動車工場を見学に行きました。今回の工場見学は、実際の働く現場を見たり、そこで働く人の話を聞いたりという体験をすることで、利用者様に「就労への意欲向上」や「普段の作業の取り組み方について振り返っていただく」目的がありました。
 見学では、実際に販売する車の製造過程を目の前で見ることができました。彼は、案内役の方の説明を真剣に聞き、特に出来上がった車の検査過程に強く興味を示していました。また、大勢の人たちがいて、それぞれの人が自分の仕事を頑張っていることに、深い感銘を受けた様子でした。人前では遠慮がちな彼が、自分から質問する積極的な姿も見られました。
 工場見学から帰ってきてからも、日産の自動車を見るたびに「あの車もあの工場で作られたのかな?」「工場すごいな」と、一台の車であっても大勢の人の努力で成り立っていることに、見学を通して気づかされたようです。
 そして、数日たった休憩時間。その彼が、支援員に真剣な表情で自分の気持ちを伝えてきました。「この前の見学した工場に感謝の手紙を書きたい」と。
 その後数日間、自分の気持ちを手紙に表現しようと、職員のアドバイスを受けながら彼は作業の合間を利用して頑張りました。 
 それで完成したのが左の手紙です。いろいろな仕事があって大変だと思ったこと、自分も、もっと仕事をがんばろうと思ったこと、そして、そうしたことへの感謝が、彼の言葉でしっかりと表現することができました。
 工場見学をして感謝の手紙を書き終えてからの彼は、以前よりも集中した姿勢で仕事に取り組んでいます。

就労へ向けた支援のアプローチは様々ですが、作業技術の向上を目的に目の前の作業を闇雲に行なうだけではなく、実社会での就労の現場を「見る・聞く・体験する」ということを利用者様に経験していただく支援プログラムは、就労支援の過程でとても重要であることをあらためて確認致しました。

千の杜〜6月

2015.06.25

私たち「千の杜」のモットーは「ひとりひとりを大切に」です。つまり、それぞれの入居者の皆様がそれぞれに持っているこうしたいという気持ちを大切にしています。


入居者K様は、「千の杜」の開所にあわせて入所され、すでに3年目になります。


現役時代は、自分のお店を切り盛りされ、仕事一筋の毎日を送られていたそうです。K様は「千の杜での生活は、忙しくて思う存分できなかった趣味の数々を一つでも多く形にしたい。」と考えておられました。当初より民謡など自分の好きな歌を歌うこと、絵を描くこと、工作などの活動を生活の中に取り入れ毎日を生き生き過ごすことを大きな願いとしておられました。


例、絵を描くということでは・・・


描き上げた絵は、色彩感覚が抜群で気持ちが豊かになる絵に仕上がっています。玄関やデイサービスなど様々な所に絵を飾り来館される方の目を和ませています。また、この絵は、ボランティアの方が来た時のお礼のプレゼントとしても役に立っており、毎回、お礼の言葉を述べて、ボランティアの皆さんに直接手渡していただいています。


また、民謡などの歌う場を提供するということでは・・・


ご自分のお部屋には、カラオケマイクやレコードプレイヤーがあり、民謡などの音楽を流してはお部屋での練習を良くしています。声の響くロビーに出ては、民謡の発声練習に励まれる姿もあります。そして、リズムを取るための小さな太鼓を持って、よく太鼓をたたく練習もしていらっしゃいます。千の杜に歌や踊りのボランティアの方がいらっしゃった時には、太鼓のリズムを音楽にあわせて敲いて一体感を経験していただいています。


もともとの病気があり、時々一人で歩くのがつらいほどの体調不良に襲われることもあり、健康に対する自信を失くされる時があります。そんな時でも、スタッフ一同で趣味の数々を継続できるように支援することで、自分の健康に対して自信を回復し、素敵な笑顔がいつまでも見られますようにと願っています。

ゆりのき

2015.06.23

「自宅で最期まで生活を送る」そして「誰にも迷惑をかけずに・・」誰もが希望する生き方、逝き方ではないでしょうか?でも本当にそれだけが一番の幸せなのでしょうか?

「Mさん、85歳、自宅で一人、自由気ままに暮らしてました」と書くと、優雅?な話ですが、実際は栄養失調、自宅の中は物が捨てられず溢れ、猜疑心が強く、時々来る家族が注意すると大声で怒鳴り喧嘩の繰り返しでした。
そんな生活で体調崩し、入院。病院でも当然、物を盗られたと騒ぎ、院内の物を勝手に持ってきてしまい、説明しても納得せず、怒ってしまうのです。
治療が終わり退院となった時も、一人暮らしの自宅には帰れず、ゆりのきにそのまま来ていただくこととなりました。
はじめは帰宅願望強く、勝手に出ていこうとしたり、面会にきた家族と大喧嘩をしていることもありました。認知症状だけではないような様子でした。
初めはMさんの気持ちに寄り添えず、空回りばかりでした。
ある日面会に来た姉妹に相談すると「あのね・・病院からそのままここに来たでしょ。だから「連れてこられた」「騙された」って思ってしまったみたいだよ」と教えてくれました。
それから毎日時間を作ってMさんと話をしました。
「不満は?」「不安は?」「やりたい事は??」
「家に帰りたい」「家族に捨てられたの?」「何もしたくない」を繰り返すばかりでしたが、少しずつ昔やっていた農業の話、家族の話などしてくれるようになり、冗談で職員と大笑いするようになり「家に忍び込む事はできないからね〜せめて墓参りにいきたいもんだ」と話してくれました。
数日後、家族の了解をいただき、Mさんと一緒にお墓参りに行きました。
Mさんと私達の間の垣根を一つ超える事が出来ました。
それからも少しずつ時間をかけ、一緒に泣いたり、笑ったり、怒ったり、日々の中でMさんの為に一番良いであろう事を、職員が一生懸命探し、支援しました。

約半年が経過した今・・・Mさんは笑顔でゆりのきで過ごしています。「絶対に家には帰さない!」と言っていた家族と一緒に時々家に帰れるようになりました。
「下手だけど庭に花とか植えるのが好きだった」と昔、楽しんだガーデニングをゆりのきでまた始め、時々は自分から外に出て草取りもしてくれるようになりました。
自宅ではずっと暮らせないけど、今のMさんは独居の頃よりも血色よく、表情も明るく、何よりも大事な家族と笑顔で過ごす事が出来るようになりました。
「そりゃあ、家が一番だけどここに居ると心配は無いよ。淋しくないから」とMさんが他の利用者さんと話をしているのを聞き、小さな達成感を感じました。

どこに居てもその人らしく、過ごせるように・・・頑張って支援させていただきます。

昼食の時間が楽しみになりました! スペース・ドリーム

2015.06.22

昼食は楽しみなのに偏ったものしか食べれなかった利用者さまです。
本当は、食べたい物なのに何かが違うと昼食を眺めているだけの日が続き、支援員からの声掛けがあっても今日も眺めているだけでした。私たちは、少しでも食べていただきたいという思いで厨房さんと話し合い様々な工夫をしてみました。結果、お醤油や、ソース味などをシンプルに変えてみたり、焼くだけ、煮るだけにしてみたところ少しずづ興味を持って慎重に食べ始めました。焼いたお肉を一口、お魚を一口、少しずつ食べられるものが増えて、時には完食も見られるようになりました。これまで、長い時間がかかりましたが、利用者さまが落ち着いて口に運んでいる姿は本当に嬉しく思います。これからも、気持ちに寄り添い一緒に食の時間が楽しめれるよう継続していきたいと思います。

まなーる(学びの作業所)でのできごと

2015.06.12

まなーるでは、5月行事として筑波山登山を行いました。
2年生にとっては2度目のまなーるでの筑波山登山。
今回は、その2年生のある女性利用者(19歳)の登山のエピソードです。
彼女は去年、1年生として入ってきた当初は、引っ込み思案で大人しい性格でした。
1年生の時の筑波山登山では、「疲れた...」と言い途中リタイヤ。
しかし責任感や努力は人一倍。
「登れなかった事が悔しい」と言い、昨年は残念そうな顔を見せていました。
それから1年。
「なんでもやってみよう!」「間違ったって失敗したっていいんだ!」「頑張った!が大事で結果は二の次」そんな活動を続けてきて、今年もいよいよ筑波山登山の5月がきました。
いざスタートすると、天候は途中から雨です。去年よりもずっと条件が悪い中での登山になってしまいました。しかし、彼女は絶対に「疲れた...」だけでは言葉を終わりにしません。
「疲れた...けど頑張る...!!」
そう言いながら、去年は晴れていても登れなかった筑波山を、今年は登頂したのです。
それだけでも十分な成長ですが、彼女は登頂後、さらなる成長を見せてくれました。
「○○さん(職員)がいてくれたから登れた!!二人で登ったんだよ!!」
と、他の人との協力に興奮や魅力を覚えたのです。

間と探す、自分の力

まなーるのモットーをしっかりと味わってくれた彼女は、今後もさらにステキな女性になることと思います。
※写真は登頂を証明する表彰状授与の様子です。
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